
Key Instances
遺産分割調停・審判
被相続人の遺産に含まれる不動産について、相続人間で時価評価について意見が対立する場合の、遺産分割調停・審判における不動産の時価算定。
代償分割(特定相続人が他相続人に代償金を支払う方式)・換価分割の前提となる評価。
相続発生後の遺産分割協議で、不動産の評価額について意見が対立し、
調停・審判に進むケースは少なくありません。
鑑定士が中立の立場で時価を算定することで、
「相手の言い値ではない、覆りにくい基準」ができあがります。
調停委員・裁判官も鑑定評価書を重視するため、
長引く相続争いを早期に終結させ、相続人間のしこりを最小化することにつながります。
根拠法令を確認する
・民法 第906条(遺産分割の基準)、第907条(遺産分割協議)
・家事事件手続法 別表第二(遺産の分割)、第191条以下(遺産分割審判事件)
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」「私的な紛争の解決のための参考」
・日本不動産鑑定士協会連合会 業務指針(裁判鑑定関連)
離婚時の財産分与訴訟
離婚に伴う財産分与における夫婦共有不動産の時価評価。財産分与調停・審判・訴訟における主張立証資料。
一方が不動産を取得し他方に代償金を支払う場合の代償金算定の前提。
離婚協議で家・マンションをどう分けるか、配偶者と意見が合わずに話が前に進まない——
そんなときこそ第三者の鑑定評価が役立ちます。
鑑定士が中立的な立場で時価を算定することで、
「相手の言い値」「不動産屋の査定」のどちらでもない、
客観的で覆りにくい基準ができあがります。
協議・調停・訴訟いずれの場面でも、
鑑定評価書は有力な証拠資料として機能します。
根拠法令を確認する
・民法 第768条(財産分与)
・家事事件手続法 別表第二の四の項(財産の分与に関する処分)、第150条第5号
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」「私的な紛争の解決のための参考」
共有物分割訴訟
共有不動産の分割を求める訴訟において、現物分割・代金分割・全面的価格賠償(共有者の一人が他の共有者の持分を取得し代償金を支払う方式)のいずれを採用するかの判断、
および代償金額算定の前提となる評価。
こんなお悩みありませんか?
・「親から相続した土地を兄弟で共有しているが、自分だけ売却したい」
・「共有者の一人が代償金を払って買い取りたいと言うが、提示金額が安すぎる」
鑑定評価でこう変わります
共有物分割訴訟では、判決で「全面的価格賠償(共有者の一人が他の共有者に代償金を支払う)」が命じられるケースが多くあります。
このとき代償金の額は不動産の時価に基づくため、
鑑定評価書が裁判所の判断に直接影響する重要な証拠となります。
鑑定評価のないまま訴訟に臨むと、相手方の主張する低い価格が通ってしまうリスクがあります。
根拠法令を確認する
・民法 第258条(裁判による共有物分割)
・最判平成8年10月31日(全面的価格賠償による分割を容認)
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」
借地非訟事件における
承諾料・名義書換料
借地条件変更・増改築許可・借地権譲渡許可・競売に伴う借地権譲受許可等の借地非訟事件において、
裁判所が決定する承諾料・名義書換料の算定の前提となる借地権価格・更地価格の評価。
借地非訟事件では、裁判所が下記の各承諾料を決定します。
各承諾料は借地権価格・更地価格を基準に算定されるため、
前提となる不動産価格の評価額が承諾料の額に直接影響します。
■譲渡承諾料(名義書換料):借地権価格 × 約10%
■増改築・建替承諾料:更地価格 × 約3%
■借地条件変更承諾料:更地価格 × 約10%
■更新料(慣行・任意):借地権価格 × 3〜5%
裁判所は鑑定委員会(弁護士・不動産鑑定士で構成)の意見を非常に重視するため、
自ら鑑定評価書を提出することで主張する金額の説得力が大きく高まります。
※上記は一般的水準・目安であり、個別事案の事情(立地・契約経緯・建物用途等)により大きく変動する場合があります。
根拠法令を確認する
・鑑定評価基準 各論第1章第1節Ⅰ「宅地」3「借地権及び底地」
・借地借家法 第17条(借地条件の変更及び増改築の許可)、第19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)、第41条以下(借地非訟事件)
・非訟事件手続法
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」
立退料(明渡料)
借地借家法第28条(建物賃貸借)・第6条(借地)に基づく更新拒絶・解約申入れにおける「正当の事由」を補完する財産上の給付(立退料)の算定。
借家権価格・移転補償・営業補償・工作物補償等を体系的に積算。
こんなお悩みありませんか?
・【貸主側】「老朽化したビルを建て替えたいが、テナントに立退料いくら払えば出ていってもらえるか分からない」
・【借主側】「家主から立退きを迫られているが、提示された立退料が安すぎる気がする」
鑑定評価でこう変わります
立退料には法律上の明確な計算方法がなく、
双方が主張する金額が大きく食い違うのが一般的です。
鑑定士が借家権価格・移転補償・営業補償等を体系的に算定することで、
交渉・調停・訴訟いずれの場面でも合理的な根拠を主張できます。
貸主側は過大な立退料支出を、借主側は過少な立退料受領を、
それぞれ回避できます。
根拠法令を確認する
・鑑定評価基準 各論第1章(借家権の評価に関する規定)
・借地借家法 第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)、第6条(借地契約の更新拒絶の要件)
・公共用地の取得に伴う損失補償基準(参考基準)
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」「私的な紛争の解決のための参考」
収用に伴う損失補償
土地収用法に基づく公共事業のための土地・建物等の収用に伴う損失補償について、
起業者の提示する補償額・収用委員会の裁決額に不服がある場合の、補償金訴訟における時価算定。
または収用委員会への意見書提出資料。
公共事業のための収用補償額が、自分の土地・建物の事情を十分反映していないと感じることがあります。
鑑定士が損失補償基準に基づき独自に評価することで、
収用委員会への意見書・補償金訴訟における有力な反論資料となります。
根拠法令を確認する
・土地収用法 第71条(損失の補償)、第94条以下(裁決)、第133条(訴訟)
・公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱(閣議決定、昭和37年6月29日)
・公共用地の取得に伴う損失補償基準(中央用地対策連絡協議会決定、昭和37年10月12日)
・公共用地の取得に伴う損失補償基準細則
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」「公的評価」
売買契約に関する損害賠償訴訟
不動産売買における契約不適合責任(改正前:瑕疵担保責任)・契約不履行・説明義務違反・宅地建物取引業者の重要事項説明義務違反等を理由とする損害賠償訴訟において、
損害額算定の基礎となる「適正時価との差額」「物件の減価額」の評価。
契約不適合責任・契約不履行・説明義務違反等を理由とする不動産売買の損害賠償訴訟では、
「適正価格との差額」「物件の減価額」が損害額となります。
鑑定士が問題発覚前後の各時点の時価を算定することで、
損害額を客観的な数字で示すことができ、裁判所の認定額に直結します。
根拠法令を確認する
・民法 第415条(債務不履行による損害賠償)
・民法 第562条以下(契約不適合責任、平成29年改正民法、令和2年4月1日施行)
・宅地建物取引業法 第35条(重要事項説明)、第40条(担保責任についての特約の制限)
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」
詐害行為取消訴訟・否認権行使
債権者代位権行使・詐害行為取消請求(民法424条以下)、または破産法・民事再生法・会社更生法に基づく否認権行使における、
対象不動産取引の「不当に低廉な価額での譲渡」の立証資料。取引時点の適正時価の算定。
こんなお悩みありませんか?
・「貸金の回収を進めようとしたら、債務者が自分の不動産を親族に売却して財産隠しをしていた」
・「破産管財人として、破産者が破産直前に著しく安い価格で不動産を売却した行為を取り消したい」
鑑定評価でこう変わります
詐害行為取消訴訟・否認権行使においては、
「不当に安い価格での売買」を立証する必要があります。
鑑定士が当該取引時点の適正時価を算定することで、
「実際の取引価格 vs 適正時価」の乖離を客観的に示すことができ、取消・否認の根拠資料となります。
根拠法令を確認する
・民法 第424条以下(詐害行為取消請求)
・破産法 第160条以下(否認権)
・民事再生法 第127条以下(否認権)
・会社更生法 第86条以下(否認権)
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」
担保不動産競売
担保不動産競売手続において、執行裁判所が選任した評価人による評価書に基づき決定される売却基準価額に対し、
債権者・債務者・買受希望者の立場から執行抗告・売却許可決定への意見書・買受参考資料として独自鑑定評価を提出する場合。
担保不動産競売の売却基準価額に、債権者・債務者・買受希望者の立場から不満を持つことがあります。
独自に鑑定評価を取得し、執行抗告・意見書として提出することで、自己の主張を裏付ける資料となります。
根拠法令を確認する
・民事執行法 第58条(評価人による評価)、第60条(売却基準価額の決定)、第74条以下(売却許可決定に対する執行抗告)
・民事執行規則 第29条以下
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」「担保評価」 ・日本不動産鑑定士協会連合会「担保不動産の鑑定評価に関する実務指針」(平成29年5月修
境界確定訴訟・所有権確認訴訟
境界確定訴訟・所有権確認訴訟(土地家屋調査士・弁護士の主担当領域)に付随して、
争いの結果により取得・喪失する土地部分の時価評価が必要となる場合の価額算定。
和解金・損害賠償額算定の前提。
境界紛争・所有権確認訴訟の結果により取得・喪失する土地部分の価値が問題となる場面で、
鑑定士が当該部分の時価を算定することで、
和解金・損害賠償額の算定根拠となり、訴訟の経済的解決を促進します。
根拠法令を確認する
・民事訴訟法上の所有権確認訴訟・境界確定訴訟(判例による固有の手続)
・不動産登記法 第131条以下(筆界特定制度)との関係
・価格等調査ガイドライン 依頼目的「裁判上の参考」「私的な紛争の解決のための参考」
